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が必要とされており、それは一般的には高度な技術作業となる。この作業を支援するために、GPMEはOntoEditorを提供する。5章で述べるように、OntoEditorによりVisual Pro-grammingが可能になり、これを利用することによって、オントロジの拡張作業における大幅な工数軽減と品質向上が期待できる。
プロダクトモデルの中のデータは設計・生産関係のアプリケーションによって生成、変更、削除されることもあるし、プロダクトモデル自身のメソッドによって生成・処理されることもある。業務作業の内容によっては、データの一部を検索、照合、参照、テスト、チェックする必要も出てくる。このような作業をアプリケーションに依存せず行うため、GPMEは汎用的なプロダクトデータアクセスツールとして、ProdEditorを提供する。5章で述べるように、ProdEditorは一種のグラフィカル・エーザインターフェイスであり、それを利用して、
ユーザはプロダクトデータオブジェクトの中身を調べることができ、オブジェクト間の関係の確認および制約条件のチェックなどもできる。
上述したように、プロダクトモデルアクセスプロトコール(PMAP)を用いれば、異機種システム間の統合は実現可能である。具体的な統合作業は、PMAPが利用できるプロダクトモデル・アクセスインタフェースPMAI(4章参照)を作成することにより実施される。そこでPMAIを作成する作業の軽減のため、GPMEはよく使われているプログミンク言語のPMAIを提供する。ユーザは提供されているPMAIを使って、より簡単な作業を行うだけで、あるシステムから、プロダクトモデルデータにアクセスすることができる。
GPMEは知識と情報のシステム化を目的としているが、オントロジ構築のノーハウ、ツールの使い方などのシステム化できない知識は、オンラインドキュメントにして、ワールドワイドウェブ(WWW)を通じてGPMEユーザに提供される。GPMEのイニシャルバージョンでは、GPMEマニュアルのみがHTMLで作成され、NetScape等のブラウザでアクセス可能となる。将来的には、GPME-WebSite(仮称)を開設し、GPMEマニュアルに加えて、オントロジ拡張ガイド、新しいCFLの発行、分野別のEFLの発行、デバギング情報等のオンラインサービスを提供することが考えられる。これによってGPMEユーザはシステム作業(オントロジ拡張、システム統合など)と業務作業(設計、生産計画など)を行う際に、NetscapeなどのWWWブラウザから、これらの情報を参照することもできるし、逆にGPMEの使用経験、問題点などをGPME−WebSite側にフィードバックすることも可能となる。すなわち、GPME−WebSiteサービスの目的は、GPMEユーザの運用を支援すると共にその保守と機能向上作業を効率よく実施することにある。

 

 

 

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